クロッシング

Brooklyn's Finest (2009年)
監督：アントワーン・フークア
出演：リチャード・ギア、イーサン・ホーク、ドン・チードル、ウェズリー・スナイプス

異なる職務に就いてきたブルックリンの３人の警察官の内なる葛藤を描く犯罪劇。

定年退職間近の警官エディはただ日常業務をこなしてきた日々を憂う。
家族の為にもっと広い家に越したいと願う刑事サルは押収した金に目をつける。
潜入捜査官タンゴは染み付いた裏社会の習慣を嫌い、上司に異動を願い出る。

関連のない３人の主人公が邦題のごとく、最終的に交差するまでを描くのかと思っていたが、そうではなく、最後まで３人はほぼ無関係で劇中、何度かすれ違うだけであり、三者三様を描くオムニバス・ドラマの傾向が強い。

正義の象徴である警察官のリアルな日常を描くことで、正義とは心の内に宿るもので、現実に存在するものではないということが言いたいのかなとも思うが、いまひとつテーマがはっきりしない作品で、少々退屈した。

特にR・ギア演じるエディの心情や行動がよく理解できず余計な存在に思えた。
その一方で、E・ホーク演じるサルは、彼が「トレーニング デイ」で演じた刑事のその後ともとれるようなキャラクターで興味深いものがあり、D・チードル演じるタンゴもありがちな設定ではあるものの、潜入刑事の悲哀のようなものがよく出ていた。
サルとタンゴのパートは接点を見出すことも可能なだけに、この２人に絞って最終的に交錯するような話にした方が映画的でよかったように思う。

コメント 8

やっぱり最後は何らかの絡みがほしかったですね。そのために傍にいるんでしょ、と言いたかったです。
悪い映画ではないんですけど、何となくモヤモヤが残る作品でした。
by 丹下段平 (2010-11-12 02:29) 

これ「トレーニングデイ」の監督作だったんですね。
嫌いじゃないですが、ちょっと爪の甘さというか、伝えたいものが伝わりにくい映画でした。

by もももんがが (2010-11-12 13:24) 

これは邦題がだめですね。
原題はちゃんと内容を伝えてるのに･･･。
デキが悪くなかっただけに、もったいないと思います。
イーサンは、『トレーニング デイ』を彷彿させていました。
いつもの彼ちちがう印象です。
by クリス (2010-11-13 10:40) 

丹下段平さん、こんばんは。
最期にサルの相棒とタンゴをクロスさせるくらいなら、サルとタンゴをクロスさせるべきだったと思います。
雰囲気は良かっただけに、構成に難ありという感じで、残念でした。
by hash (2010-11-13 17:10) 

もももんががさん、こんばんは。
「トレーニングデイ」のことですよね。
機会があれば、もう1度ご覧になってみて下さい。
伝わってくると思いますよ。＾＾
by hash (2010-11-13 17:12) 

クリスさん、こんばんは。
内容を無視した邦題は本当に勘弁して欲しいですね。
まだ、そのままカタカナ表記の方がマシです。
＞『トレーニング デイ』を彷彿
E・ホークを主役にした「トレーニングデイ」の続編を作ってもらいたいです。
by hash (2010-11-13 17:19) 

こんばんは＾＾
この作品、上映館が少なくて残念だと思ってたんです。
同じくイーサン・ホーク主演のヴァンパイア映画「デイブレイカー」も
そうなんですよね～。
イーサンさん、好きなんでこの状況、ちょっと不満です＾＾
by てくてく (2010-11-20 18:28) 

てくてくさん、こんばんは。
近年は邦画の方が人気で、制作本数も増えていますから、洋画はメジャーな作品しか全国公開されませんね。
残念ですが、その分、DVD化も早いので、E・ホーク2作品も来年早々には出るのではないかと思われます。
本作のE・ホークはなかなか良いので、宜しければご覧ください。
by hash (2010-11-20 22:47)