落下の王国

The Fall (2006年)
監督：ターセム
出演：カティンカ・ウンタルー、リー・ペイス、ジャスティン・ワデル

撮影中の事故で入院中のスタントマンが、腕を骨折して入院中の少女に、ある条件と引き換えに物語を聞かせるという話。
その物語における、4年がかりで13の世界遺産を含む24ヶ国でロケを敢行したという映像美には、オスカー獲得経験のある石岡瑛子の独特の衣装と相成って、目を見張るものがある。
しかし、物語自体はたいして面白くもなく、予算の都合もあるのだろうが、各シーンも背景が華やかな割には迫力不足なので、途中で退屈してしまった。
また、ある条件というのが、主演俳優に恋人を奪われたことに絶望し、自殺する為に、無垢な少女を騙して、モルヒネを盗ってこさせることで、映画のスケールとは対照的に器の小さい設定に苦笑する。
CMやPVで名を馳せた監督の映画は、映像ばかりに囚われて、ストーリーが蔑ろになっているものが少なくないが、その典型的な例と言える。
これなら、世界遺産をまとめたDVDを観た方がいいかと思う。

ザ・フォール/落下の王国 特別版 [DVD]

• 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
• メディア: DVD

ザ・フォール/落下の王国 [Blu-ray]

• 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
• メディア: Blu-ray

THE 世界遺産 「絶景」 THE 世界遺産ディレクターが選ぶ 世界遺産 絶景20選 [Blu-ray]

• 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
• メディア: Blu-ray

コメント 4

私も話のちっちゃさに驚きました。映像は壮大な雰囲気なんですが。
世界遺産のDVDの方に興味を持ってしまいました。
by satoco (2009-10-01 11:02) 

satocoさん、こんばんは。
nice!＆コメントありがとうございます。
ちっちゃいですよね。
監督の実体験なのかなと邪推してしまいました。＾＾

by hash (2009-10-01 23:28) 

空想中の冒険談が余りに陰鬱（結果的にお話のスケールも小さくなってしまった）なのが気に入らなかったですね。
サイレント映画の体を張ったアクションにオマージュを捧げているのだから、あの時代の作品のように快活だったらもっと楽しかっただろうと思うと、いかにも勿体ない。

映像は世界遺産頼みではなく様式美もあり好調。ドラマ映画だからストーリーとのバランスが重要ですが、ある程度の評価はしたいと思わせました。

他の人のブログを読んだら、失恋云々は、監督の実体験と書かれていましたが、多分にそういう面もありそうです。＾＾
by オカピー (2009-10-03 09:22) 

オカピーさん、こんばんは。
コメント＆TBありがとうございます。
本編のアクションはサイレント映画のそれとは比べ物にならないくらいおとなしかったですね。
＞監督の実体験
公私混同はやめてもらいたいです。＾＾
by hash (2009-10-04 00:41)