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スラムドッグ$ミリオネア [タイトル:サ行]

Slumdog Millionaire (2008年)
監督:ダニー・ボイル&ラヴリーン・タンダン
出演:デヴ・パテル、フリーダ・ピント、マドゥル・ミッタル、アニル・カプール
slumdog_2.jpgslumdogmillionaire.jpg
2008年度アカデミー賞において、作品、監督など計8部門で受賞した作品で、インドのスラム街で孤児として育った学のない青年が、何故、クイズ番組で高額賞金を得ることができたのかを描く。

まず、思ったのは、最後の問題が三銃士って、クイズが優しくないですか?
そのレベルだと、それまで医者や弁護士など学識豊かな人でも最終問題に到達した者はいないという設定の現実味が薄れるような気がする。というか映画の根底から覆される気が・・・

そんな事は別にして、IT産業を武器に経済的発展を続けるインドの第一の都市ムンバイも、まだボンベイと呼ばれていたほんの十数年前は、インフラ整備もままならない文字通りのスラムであり、そんな時代に、不遇な少年時代を過ごした主人公が、クイズ番組での不正を疑われ、警察の取調べの中で、真相を語っていくというストーリーは、娯楽作として観れば、充分に面白い。
しかし、オスカー作品として観た場合、貧しい者にとっての支えは金よりも愛という、ありふれたテーマを描いているに過ぎず、また、過去を振り返るスタイルも、昨今ではめずらしくないので、特に印象深い点はなく、格別、優れている映画とは思えない。
また、時間軸をずらした構成で、欧米人の知らない異国を舞台に、宗教観(本作では運命と称しているが、神が司るものと考えれば宗教的と言える)を取り入れた、バベルの法則に従って作られており、近年、必要以上に高く評価される傾向がある作品と言える。
おそらく、本作が評価されたのは、世界的大不況のおかげだろう。仕事や住居を失ったり、株などの財産が無価値になってしまった人が少なくないご時世だけに、広い世の中には、それよりももっと悲惨な人生を送りながらも、前向きに生きている人がいるという点が共感を呼んだのかと思う。
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コメント 12

aneurysm

判りやすくて好きな作品です。普通と言えばそうですね。

by aneurysm (2009-04-29 21:49) 

hash

aneurysmさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
世界中で絶賛されている映画ですが、至って普通に思えました。
D・ボイル作品は性に合わないみたいです。^^

by hash (2009-04-30 00:31) 

duke

あれ・・・大感動しちゃったよん^0^; あは^~^
by duke (2009-04-30 00:33) 

hash

dukeさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
世界中で絶賛されている映画ですから、それが普通なのだと思います。
「トレイン・スポッティング」以来、D・ボイル作品との相性が悪いようです。^^
by hash (2009-04-30 00:46) 

槍のビヂョンド

こんばんは。ニックネームかえてみました。
アカデミー賞8冠で、その中でも作品、監督、脚色賞と来たら否が応でも期待してしまいます。と言うか期待し過ぎてしまいました。
良かったんですけど、その期待を上回る作品かと言うとそうでも有りませんでした。

やっぱり最終問題は優し過ぎますよね。
by 槍のビヂョンド (2009-04-30 20:03) 

hash

槍のビヂョンドさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
私は全く期待していなかったので、その点では期待通りでした。^^
悲惨な現実をファンタジーに仕立てた感じで、昔話やアニメを観ているようでした。
by hash (2009-05-01 00:37) 

u4

ようやく先日観てきました。
インドという舞台設定だからできる映画ではないでしょうか。これが他の国ではあらゆる面でリアリティがなくなってしまいます。
純愛映画であり、また一攫千金の夢が生きている国の映画という感じです。
低予算でこれだけ面白い映画ができたことが凄いと思います。
私は久しぶりに面白い映画を観たという気がしました。

by u4 (2009-05-16 11:52) 

hash

u4さん、こんばんは。
面白い映画だとは思うのですが、優れた映画かと言えば、そうでもないと感じました。
最近の欧米はアジアがブームらしいですね。
by hash (2009-05-18 00:30) 

てくてく

こんにちは~^^
観てきました。
私はかなり熱いまなざしで観ましたよぉ(笑)
パワーを感じる作品って感じで。
やっぱりインドが舞台だからと言うのが大きいですよね。
ストレートに愛を訴えかけてきて、
そこがまた好感が持てたという気がします^^
by てくてく (2009-06-02 10:33) 

hash

てくてくさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
やはり、普通はそう感じるのでしょうね。
私はひねくれているようです。^^;
でも、やはり、「ベンジャミンバトン」や「グラントリノ」の方が良かったです。^^
by hash (2009-06-02 22:29) 

オカピー

>最後の問題が三銃士って、クイズが優しくないですか?
やさしいです。^^
これはクイズ=経験に拘りすぎたが為の弊害でしょうね。
フランス人なら一番最初に出てもおかしくないレベルでしょうし、英国系のインドと言えども小学校で習っているくらいですから、せいぜい5問目くらいでしょう。^^;

しかし、クイズが発端となり、クイズの問題でお話を進めて行くという着想が優秀で、貧困や差別をテーマにしながら下手に社会派映画にしなかったのが実に良いと思いました。
最後のカットバックが実にクラシックで、30年代のしっかりしたハリウッド映画を観るがごとし。
「ロッキー」を観た時もこんな嬉しさだったなあ。
by オカピー (2010-03-22 01:45) 

hash

オカピーさん、こんばんは。
苦手なD・ボイル作品の中では1番面白かったですが、各映画賞独占というほどの良さは感じられませんでした。
万国共通の題材「クイズ・ミリオネア」の功績が大きいと思います。^^
by hash (2010-03-22 21:56) 

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