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チェ 39歳 別れの手紙 [タイトル:タ行]

Che: Part Two (2008年)
監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:ベニチオ・デル・トロ、ヨアキム・デ・アルメイダ、フランカ・ポテンテ
che39.jpgchepart2.jpg
アルゼンチン人の革命家チェ・ゲバラの半生を描いた2部作の後編。
キューバでの楽な生活や家族を捨て、ボリビアに渡り、軍事政権打倒を目指して、山中でその準備に励むゲバラの姿を描く。
キューバのときとは違い、革命軍に統一感はなく、当てにしていた共産党の支援も受けられず、挙句の果てには農民にも見放され、革命の第一歩を踏み出すことのないまま、政府軍に捕らえられ、そのまま処刑される。
極端な言い方をすれば、ボリビアでは招かれざる客人に過ぎなかったということになり、崇高な考えを持っていても、それを共有する仲間がいなければ、何も変えられないと訴えてくる。
前編「チェ 28歳の革命」同様に淡々とした展開で進むが、その光景は対照的で、ゲバラの言動に焦点を合わせることもほとんどなく、出来事をそのまま時系列に沿って並べた構成なので、映画としては退屈に思えなくもない。
しかし、敢えてこのようなスタイルを取ることで、ゲバラという人物に対する固定観念を再認識させるでもなく、また製作側のイメージを押し付けるのでもなく、観客がどう感じるかを問うているのだろう。
21世紀になって久しい現代でも、独裁者が圧制を敷く国はあり、自由民主主義を掲げながらも一部の特権階級が牛耳っている国も少なくなく、ゲバラが生きていた時代と変わったようで、実はあまり変わっていないような気がする。
そんな時代だからこそ、今“ゲバラ”なのだろう。
無音のエンドロールが「あなたはこの男の選択をどう思いますか」と問いかけてくるようだった。

この2部作は、ありのままのゲバラを描くことで、反逆のアイコンとして一人歩きしているイメージを否定し、真の姿を周知させる為に作られたと考えられ、ゲバラの事を知っているつもりで実は知らないという人は、観ておくべきであろう。
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コメント 7

hash

xml_xslさん、こんばんは。
nice! ありがとうございました。
by hash (2009-02-08 01:35) 

aneurysm

hashさんも観に行かれたのですね。

>そんな時代だからこそ、今“ゲバラ”なのだろう。

そうですよね、場所と独裁者が変わっただけで、本質は変わらないですよね。
by aneurysm (2009-02-08 11:06) 

duke

最後はそういう感じだったのですね。。
了解しました。見に行きます。
by duke (2009-02-08 23:19) 

hash

aneurysmさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
この2部作で描かれたキューバやボリビアの状況と今の日本は結構似たところがあるように感じました。
by hash (2009-02-09 00:11) 

hash

dukeさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
事前に「モーターサイクル・ダイアリーズ」を見ておくと、いいと思います。
by hash (2009-02-09 00:14) 

ジジョ

こんにちは☆
ゲバラの行動を本人の意思とは違う方向で賞賛されている
部分もあるんだな、、と映画を観て思いました。
確かに今も「革命」が必要な時代なんですね。
by ジジョ (2009-02-09 12:57) 

hash

ジジョさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
ゲバラに対するイメージが変わる作品でした。
何かと便利な世の中になりましたが、社会の本質は変わってないですね。
by hash (2009-02-09 23:42) 

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