ワールド・オブ・ライズ [タイトル:ヤ・ラ・ワ行]
Body of Lies (2008年)
監督:リドリー・スコット
出演:レオナルド・ディカプリオ、ラッセル・クロウ、マーク・ストロング
欧州各地で起きた爆弾テロの首謀者を捕らえるべく策を企てるCIA局員を描くサスペンス映画。
命がけで前線で活動する者、後方からただ指示を送る者、協力を要請される者、三者の目的は同じながらも、互いを信用しない虚虚実実ならぬ虚虚虚虚の駆け引きが描かれ、一瞬たりとも目が離せない。
情報提供者を見捨てることなどは当たり前で、一般人をテロリストに仕立てたり、爆弾テロを偽装するなど、敵味方おかいまいなく欺く作戦の数々は、正にタイトル通り「嘘の塊」で、現実のニュースで伝えられていることが信じられなくなりそうだ。
そして、セリフにもあるように、通信機器や衛星などの高価なハイテク機材を使っても、ローテク手段を駆使するテログループからは重要な情報を得ることは出来ないという状況から、ベトナム戦争を指して「隊列行進も出来ない奴らに負けた」という昔観た映画のセリフが思い出され、アメリカの変わらない戦争体質を感じさせる。
そのことを印象付けるのが、内通者を送り込むという昔ながらのオーソドックスな手を使った者が最後に笑うシーンである。
とは言え、監督R・スコットの前作「アメリカン・ギャングスター」ほど深く印象に残る作品ではない。
それは、2人のCIA局員が企てる作戦はどれも詰めが甘く、ことごとく失敗するので、あまり優秀に見えず、キャラクターとしての魅力に欠けるからだろう。
策士、策に溺れるというより、女に溺れる展開は、いかにもアメリカ映画的で、その結果、脇役であるはずの“協力を要請される者”が一番脚光を浴びる形になってしまった。
これは、対テロ戦争におけるアメリカの対処法に対する批判の意を込めてのことかと思うが、映画としてはマイナス要素になったと思う。
それでも、現在進行形の問題の真の姿を見たという感じで見応え充分なのは確かで、セリフが多く、字幕を追うのが大変なこともあり、吹替え版でもう一度見たいと思わせる作品である。
監督:リドリー・スコット
出演:レオナルド・ディカプリオ、ラッセル・クロウ、マーク・ストロング
欧州各地で起きた爆弾テロの首謀者を捕らえるべく策を企てるCIA局員を描くサスペンス映画。
命がけで前線で活動する者、後方からただ指示を送る者、協力を要請される者、三者の目的は同じながらも、互いを信用しない虚虚実実ならぬ虚虚虚虚の駆け引きが描かれ、一瞬たりとも目が離せない。
情報提供者を見捨てることなどは当たり前で、一般人をテロリストに仕立てたり、爆弾テロを偽装するなど、敵味方おかいまいなく欺く作戦の数々は、正にタイトル通り「嘘の塊」で、現実のニュースで伝えられていることが信じられなくなりそうだ。
そして、セリフにもあるように、通信機器や衛星などの高価なハイテク機材を使っても、ローテク手段を駆使するテログループからは重要な情報を得ることは出来ないという状況から、ベトナム戦争を指して「隊列行進も出来ない奴らに負けた」という昔観た映画のセリフが思い出され、アメリカの変わらない戦争体質を感じさせる。
そのことを印象付けるのが、内通者を送り込むという昔ながらのオーソドックスな手を使った者が最後に笑うシーンである。
とは言え、監督R・スコットの前作「アメリカン・ギャングスター」ほど深く印象に残る作品ではない。
それは、2人のCIA局員が企てる作戦はどれも詰めが甘く、ことごとく失敗するので、あまり優秀に見えず、キャラクターとしての魅力に欠けるからだろう。
策士、策に溺れるというより、女に溺れる展開は、いかにもアメリカ映画的で、その結果、脇役であるはずの“協力を要請される者”が一番脚光を浴びる形になってしまった。
これは、対テロ戦争におけるアメリカの対処法に対する批判の意を込めてのことかと思うが、映画としてはマイナス要素になったと思う。
それでも、現在進行形の問題の真の姿を見たという感じで見応え充分なのは確かで、セリフが多く、字幕を追うのが大変なこともあり、吹替え版でもう一度見たいと思わせる作品である。
xml_xslさん、こんばんは。
nice! ありがとうございました。
by hash (2008-12-31 00:50)
>ベトナム戦争を指して「隊列行進も出来ない奴らに負けた」
なるほど。こういうのがアメリカのプライドなのでしょうか。
今回はハイテクと謀略に対するアメリカの過信を
ホフマンが小憎らしく体現していましたね。
なんとも困った国です。
by masktopia (2008-12-31 11:23)
2008年ありがとうございました。良いお年~~!
by takemovies (2008-12-31 12:25)
(^_^)ノ こんにちは! 今年最後の “お邪魔します” です。(笑)
Oh! 相変わらずの辛口評! 簡潔に言い放ったところ・・・流石です!
本当にそんな感じの出来上がりになってましたね。
でも 面白かったです。久々に楽しめました。
また来年も宜しくお願い申し上げます。
by Labyrinth (2008-12-31 13:06)
TBありがとうございました。
この展開ではアメリカでヒットは無理でしょうが、第三者の立場からはなかなか面白かったです。
ハイテクや小手先の策に溺れるアメリカの傲慢なやり方ではなく、人を信じ、信頼関係を築くことこそ必要なんじゃないでしょうか?
来年もよろしくお願いいたします。
by ryoko (2008-12-31 15:22)
masktopiaさん、こんばんは。
コメントありがとうございました。
このようなアメリカ批判とも取れる内容をアメリカ映画で知るというのはいいことですね。
監督はイギリス人で、主演の一人はオーストラリア人ですが・・・(笑)
by hash (2008-12-31 18:08)
takemoviesさん、こんばんは。
nice!&コメント ありがとうございました。
よいお年をお迎えください。
by hash (2008-12-31 18:10)
Labyrinthさん、こんばんは。
nice!&コメント ありがとうございました。
辛口ですみません。(笑)
でも、結構、気に入ってますよ。
こちらこそ、来年もよろしくお願いいたします。
by hash (2008-12-31 18:12)
ryokoさん、こんばんは。
コメント&TBありがとうございました。
仰る通りですね。
世界が平和になる日は遠そうです。
こちらこそ、来年もよろしくお願いいたします。
by hash (2008-12-31 18:17)
あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします。
どうも嘘が多くて辛そうですが・・見てみたい気もします。CIAの人の様子が、今のアメリカを現わしているように思います。
by duke (2009-01-02 02:54)
dukeさん、こんばんは。
明けましておめでとうございます。
嘘というより、秘密なので、辛いという感覚ではないと思うので、機会があれば、ご覧になってみてください。
by hash (2009-01-04 00:25)
DSilberlingさん、こんばんは。
nice! ありがとうございました。
by hash (2009-01-04 00:26)