SSブログ

主人公は僕だった [タイトル:サ行]

Stranger Than Fiction (2006年)
監督:マーク・フォスター
主演:ウィル・フェレル、エマ・トンプソン、ダスティン・ホフマン
strangerthanfiction.jpgstrangerthanfiction.jpg
語り手の声が聞こえるようになり、物語の主人公になっていることに気付いた男を描いたファンタジー
W・フェレル主演作ということで、ドタバタコメディなのかと思っていたが、ジム・キャリーの「トゥルーマン・ショー」を思い起こさせるファンタジックなストーリーで、いい意味で裏切られた作品であった。
家と職場を往復するだけの規則正しい生活を送っていた男が、どこからともなく聞こえ始めた声により、自分が死ぬと知らされ、とにかく原因を突き止めようと奔走していくうちに、生き甲斐を見つけ、生き方を変えていく様子はありがちな展開ながらも楽しめる。
主人公を始め、主要な登場人物が、この摩訶不思議な現象を素直に受け入れていくところは、そうしないことにはストーリーが進まないので仕方がないとは言え、さすがに違和感を感じるものの、それを俳優陣の好演が解消してくれている。W・フェレルは何気ない動作が笑いを誘い、アメリカで人気がある理由がわかる気がする。E・トンプソンやD・ホフマンは今更言うまでもないが、マギー・ギレンホールやクィーン・ラティファの好演も見逃せない。
そして、「映画はハッピーエンド」、「小説がアンハッピーエンド」が好まれるという既成事実に対する皮肉も含まれていると思われるラストも面白い。
原題は「事実は小説よりも奇なり」を意味する“Truth is stranger than fiction.”から来ているのだろうが、文字通りに解釈すれば、映画のラストを如実に表しており、他にも取りようによってはいろいろと解釈できると思われ、いいタイトルだと思う。その反面、このニュアンスを日本語で伝えるのは難しいかと思われ、邦題泣かせのタイトルでもある。
nice!(2)  コメント(5)  トラックバック(2) 
共通テーマ:映画

nice! 2

コメント 5

hash

xml_xslさん、こんばんは。
nice!ありがとうございました。
by hash (2008-10-08 00:30) 

hash

丹下段平さん、こんばんは。
nice!ありがとうございました。
by hash (2008-10-08 21:18) 

オカピー

TB有難うございました。

映画評を書く為に、長い間脚本家がどういう風に登場人物を動かし、どういう仕掛けをし、どういう風に構成しているか、ということばかり注視してきたので、本作でも主人公ではなく、脚本家の登場人物の動かし方ばかり観ておりました。

従ってファンタジー的に観ると大変甘っちょろく見える幕切れもぜんぜ~ん気にならず、文学では色々と挑戦されている作者と登場人物の関係を扱う映画が遂に登場したかと嬉しくなり、高い点をつけたわけです。
脚本家は恐らく観客の反応まで映画に組み込んでいると思います。その辺りが断然凄い。
by オカピー (2008-10-11 02:37) 

hash

オカピーさん、こんばんは。
コメント&TBありがとうございます。
こういう独創性に長けた作品は観ていてうれしいですね。
一歩間違えると、作り手の自己満足に終わってしまう内容にも思えますが、コメディ仕立てにすることで、敷居を低くしているのがいいのではないかと思います。
by hash (2008-10-11 22:46) 

hash

丹下段平さん、こんばんは。
nice! ありがとうございました。
by hash (2008-10-27 00:58) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 2

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。