その男ヴァン・ダム

JCVD (2008年)
監督：マブルク・エル・メクリ
出演：ジャン＝クロード・ヴァン・ダム、フランソワ・ダミアン、ジヌディーヌ・スアレム

落ち目のアクション・スター=JCVDが自分自身を演じる自虐的パロディ映画。
公私共にどん底のJCVDが故郷のベルギー、スカルペックに帰り、郵便局に立ち寄ったところ、強盗団に出くわし、人質となってしまう。更に悪いことに、外にいた警官らはJCVDが犯人だと思い、騒然となる。
なかなかユニークな作品で、80～90年代に活躍したマッチョ系俳優の末路という感じで、近年、人気シリーズの新作を監督し、主演することで復活したシルベスター・スタローンや政治家の道を行くアーノルド・シュワルツェネッガーらと違い、メジャーにはなりきれなかった者の悲哀が滲み出ている。
スティーブン・セガールに新作を奪われたとか、東欧で撮影する低予算B級映画の仕事しかないなど、どこまで本当かは定かでないが、ハリウッドに不満たらたらなのは確かなようだ。
そんな訳で、本作をもって、ハリウッドとの訣別を宣言したのかと思ったが、IMDbによれば、「Universal Soldier ３」に出演しており、そんなことはないらしい。

その男 ヴァン・ダム スペシャル・エディション [DVD]

• 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
• メディア: DVD

コメント 3

弊記事までＴＢ＆コメント有難うございました。

なかなか面白かったですね。

＞自虐的パロディ
その言葉がぴったり。

ウッディ・アレンは「さよなら、さよならハリウッド」通りに映画を去ってしまいました。やはり彼の場合は自虐的な私小説風映画であって、パロディではない所以ですね。
by オカピー (2009-12-08 23:18) 

間違い発見！

上の文章で＜映画を去ってしまいました＞と書きましたが、正しくは＜アメリカを去ってしまいました＞です。

すみません。
by オカピー (2009-12-08 23:20) 

オカピーさん、こんばんは。
＞「さよなら、さよならハリウッド」
W・アレンのアメリカ映画訣別宣言だったのですね。
JCVDの場合、ハリウッドの方からお払い箱にされたような感じですが、フランス語がしゃべれるのだから、リュック・ベッソンと組んで、フランス映画に出ればいいのにと思います。
by hash (2009-12-09 21:27)