フリーダム・ライターズ

Freedom Writers (2007年)
監督：リチャード・ラグラヴェネーズ
出演：ヒラリー・スワンク、イメルダ・スタントン、スコット・グレン、パトリック・デンプシー

ロス暴動後の1994年、人種の対立が顕著なクラスに赴任した実在の女性教師の奮闘を描く。
社会人になってからは観ることもなくなったが、かつては日本製学園ドラマを人並みに観ており、実際の学校生活では尊敬できるような教師に出会ったこともないので、この手の実録教師モノには興味深いものがある。
差別撤廃制度を導入したことで、様々な人種の生徒が入学してきたおかげで、逆に人種の対立や差別が生まれてしまったのは、何とも皮肉な話だが、そんな高校で私生活を犠牲にしながらも、生徒達に人種で人を区別することの愚かさを教え、他人を受け入れ、協力していくことの大切さを学ばせ、同時に学校の無意味な教育ルールを撤廃させていく主人公の行動力には脱帽で、日本では教員の採用自体に不正が蔓延っているというニュースが話題になった後だけに、このような教師に出会えた生徒たちは幸せだとつくづく思う。
また、貧困層の若者がサバイバル生活を強いられる“ストリート”の描写や、「アンネの日記」の中でアンネをかくまったオランダ人女性ヒースさんを学校に招いての講演などを含むドラマチックな展開は２時間を超える長さを全く感じさせず、正に“事実は小説よりも奇なり”といったところである。