バンテージ・ポイント

Vantage Point (2008年)
監督：ピート・トラヴィス
出演：デニス・クエイド、マシュー・フォックス、フォレスト・ウィテカー、ウィリアム・ハート

スペインで起きたアメリカ大統領狙撃事件の真相を追う護衛官の姿を描いたサスペンス。
前半は、狙撃事件の前後の出来事を、現場に居合わせた複数の異なる視点から描き、情報を小出しにしていくことで、何が起きたのかを徐々に明らかにしていき、後半は、派手なカーチェイスを交えながら、それまでに明らかになった情報を集約させ、犯人一味の目的が判明し、ラストシーンへ結びつける。
ビデオテープを何度も巻き戻しながら、映像の細部を検証するかのような前半と、複数の点を一気に一本の線にする後半という構成は見事で、昨今の安易に時間軸をずらしただけの映画とは違って、見ごたえがあり、もう1度観たくなる。
中にはこのキャラクターは不要なのではと思うものもあるが、90分という上映時間の短さを考えれば、たいして気にならない。
また、D・クエイド演じる護衛官の過去や犯人一味の背景などキャラクターの描写には物足りなさを感じるのは否めないが、これはスリリングな展開を優先する為に割愛したと考えるべきであろう。
本編とは関係ないが、観光客役のF・ウィテカーが予想外の活躍を見せるのに対し、TVディレクター役のシガーニー・ウィーバーが前半だけの出演で顔見せ程度に終わってしまっているのは、オスカーを獲得したかしないかの差を見てるようで面白く、また、「レーガン以降の大統領には影武者がいる」というセリフは本当なのかどうか興味深い。

コメント 4

観てきました～。
スピード感ありましたよね。面白かったです。
オスカー獲得の差！←ここの分析、笑っちゃいました＾＾
確かにF・ウィッテカー活躍でしたよね。
ＴＢお願いしまーす。
by てくてく (2008-03-19 15:06) 

てくてくさん、こんばんは。
新しいスタイルの撮り方で楽しめました。
S・ウィーバーが小さな役だったのは意外でしたが、これも仕掛けの一つなのかもしれませんね。
nice!&コメントありがとうございます。
by hash (2008-03-20 00:02) 

弊記事までＴＢ有難うございました。

面白いと言えば面白いのですが、前半部の同じことの繰り返しに飽きてしまいました。小生、結構気が短いです。（笑）

僕の中では、この手のアイデアは邦画「運命じゃない人」で完了してしまいました。
by オカピー (2009-05-30 02:34) 

オカピーさん、こんばんは。
コメント＆TBありがとうございます。
この手法は以前にもあったのですか。
私は初めて見たので、楽しませてもらいました。
by hash (2009-05-31 00:14)