“アイデンティティー”

Identity (2003年)
監督：ジェームズ・マンゴールド
出演：ジョン・キューザック、レイ・リオッタ、アマンダ・ピート、アルフレッド・モリーナ

豪雨の夜、ベガス郊外のモーテルにやって来た11人の男女が１人ずつ殺されていくサスペンス
「スクリーム」などと同じようなサスペンスタッチのホラーみたいな設定だが、予想外の展開で驚かせてくれる良質のサスペンスである。
サスペンス映画を作る際に重要なのは、いかに伏線を張り、いかにミスリードさせるかということだと思うが、本作はミスリードの巧みさが群を抜いてすばらしく、近年量産されているこのジャンルにおいて別格の感がある。
脚本のマイケル・クーニーは普段は舞台劇を書いている人だけに、モーテルという限定した場所での物語は手慣れていると思われ、全く予測のつかない展開に釘付けにされてしまい、最初に観たときは、冒頭からミスリードされっぱなしで、真相が判明した時は降参するしかなかった。
ただ、真相が明かされるのが少々早いのが難点で、もう少し引き伸ばして欲しかったと思う。
最後のエピソードは本作のキーとなっているものに対する法的認識への皮肉のようにも取れ、そこがまた面白い。

余談
J・マンゴールド監督作、クリスチャン・ベイル＆ラッセル・クロウ共演の西部劇「3：10 to Yuma」(2007年)はいつになったら、日本で観られるのだろうか。

コメント 9

こわいけどおもしろそう！！ジョンキューザックあたり、知的な曲者的キャラでしょうか？！
私は火曜？サスペンスの犯人は必ず当てますが（爆）、これはどうでしょう！！
by duke (2008-12-02 01:28) 

dukeさん、こんばんは。
nice!＆コメントありがとうございます。
＞こわいけどおもしろそう！
正にそんな感じです。
事前に情報を得ない限りは犯人はわからないと思います。
by hash (2008-12-02 21:21) 

takemoviesさん、こんばんは。
nice! ありがとうございました。
by hash (2008-12-02 21:22) 

hashさん、ごぶさたです。
ビックリさせてくれるのは大好きなので、この作品もお気に入りです。
もちろんジョン・キューザック大好き！ということもあるのですが。

『3:10 to Yuma』はまるでやる気なさそうですね。
ラッセル・クロウ＆西部劇じゃもうお客さんは入らないと思われてるのでしょうか？
残念です。
by dorothy (2008-12-03 01:25) 

dorothyさん、こんばんは。
nice!＆コメントありがとうございます。
J・キューザックはいいですね。
彼の主演作は公開されものが多いのが残念です。
「War Inc.」なんか面白そうなのですが・・・

「3:10 to Yuma」は公開されるに越したことはないですが、せめてDVDを出して欲しいものです。
by hash (2008-12-04 00:38) 

ＴＢ有難うございました。

＞真相が明かされるのが少々早いのが難点
というご意見も解るのですが、これは＜ミスリード＞＜どんでん返し＞を超えた仕掛けで、僕の場合は寧ろ解ったからこそこれ以降さらに手に汗を握ったのでした。

いずれにしても、こんなアイデアがあるとは、驚嘆でした。

＞最後のエピソード
なるほど。そう捉えた方が面白いですね。
by オカピー (2008-12-08 02:04) 

オカピーさん、こんばんは。
コメント＆TBありがとうございました。
＞手に汗を握った
そう言われるとそんな気もしてきました。
どちらにせよ、発想の着眼が凄いと思います。
by hash (2008-12-08 21:19) 

私はレイ・リオッタが怪しいと睨んでみていたので
見終わってから自分がトンチンカンだったと思いました。
この映画は感動してずーと余韻に浸っていました
by コッスン (2008-12-09 23:41) 

コッスンさん、こんばんは。
nice!＆コメントありがとうございます。
予測不可能ですよね。
21世紀の作品では最高のサスペンスだと思います。
by hash (2008-12-10 00:19)