すべてはその朝始まった

Derailed (2005年)
監督：ミカエル・ハフストローム
出演：クライブ・オーウェン、ジェニファー・アニストン、ヴァンサン・カッセル

通勤電車で出会った女性との不倫をネタに脅迫された男の行動を描くサスペンスで日本劇場未公開作品
実際に起こっているような犯罪が描かれるのでその辺りにはリアリティがあり、ラッパーRZAが演じるキャラクターの存在のおかげもあり、前半はスリルを感じるものの、終盤に向けての展開はありきたりで、同じ場所で同じ行動を繰り返す犯人一味も理解に苦しみ、失速感を感じざるを得ない。
作っている側もその点は承知なのか、最後にもう一つエピソードを用意していているのだが、そのシーン自体はあまり重要とは思えず、別になくてもいいので、どうせなら、奪われた現金の取り返し方にもう少し工夫が欲しかった。
あれでは、なぜあそこにあったのかという説得力に欠けるように思う。
C・オーウェン演じる主人公の口説き文句「君の唇に触れずにキスしてみせる」が妙に印象に残る。