ヤギと男と男と壁と

The Men Who Stare at Goats (2009年)
監督：グラント・ヘスロヴ
出演：ジョージ・クルーニー、ユアン・マクレガー、ジェフ・ブリッジス、ケヴィン・スペイシー

70年代から実在するらしい米軍超能力部隊の実態に迫る半実録コメディ。
失恋して自棄になった記者ボブは戦争取材で名を上げようとやって来たイラクで、自らをジェダイ・マスターと名乗る元隊員リンと出会い、彼に同行することにする・・・

冷戦時代には、米ソ共々、信じられないようなことを実際にいろいろとやっていたようだが（某作のＫＡプログラムもその一つか）、超能力部隊に関しては何かと情報も多く信憑性は高いようだ。

超能力部隊と言いつつも、愛と平和を武器に戦争のない社会を作ろうとしていたという意外性は元より、長髪にダンスにLSDとやっていることがヒッピーと変わらないという軍隊らしからぬ姿が笑いを誘う。
そして、独善的な隊員の出現により、その理想は歪められ、反社会的な集団へと変貌した現実性が興味深く、全体を笑いで包み込みながらも、戦争という名の残虐行為を止められないアメリカの悲哀が滲み出ている。

そんな意外な内容とは裏腹に、今年アカデミー主演男優賞を争ったG・クルーニー＆J・ブリッジスに加え、主演＆助演賞受賞経験者K・スペイシーの名優3人は期待通りで、30年近い年代差をたいしたメイクもしないまま演じ切ってしまう大胆さと真面目な顔しておかしなことをしでかす滑稽さを見るだけで充分、満足できる。

実録・アメリカ超能力部隊 (文春文庫)

• 作者: ジョン ロンスン
• 出版社/メーカー: 文藝春秋
• 発売日: 2007/05
• メディア: 文庫

コメント 10

面白そう！全然ノーマークでした。
まだ静岡では公開がないなぁ。見てみたいです！

そうそう、「ゾンビランド」は静岡で10月公開でした。
って10月・・・レンタルも同じ時期に出そうな予感・・・。
by もももんがが (2010-08-20 11:37) 

＞アメリカの悲哀
ふざけた映画のようでいて、観終わるとなんかちょっと悲しいんですよね。
そこがいいなぁと思いました。
by テンプラ・ソバ・ニーロ (2010-08-20 20:57) 

なかなか興味深いキャストと題材ですね！面白そうです。
実際に行われていることがベースになっているとは、
軍隊ってすごいこと実践しているものですね・・・。

by トミュウ (2010-08-21 22:37) 

へぇ、面白そうですね。
タイトルから内容が全然想像できなかったのですが、こんな内容なら観てみたいです。
by 丹下段平 (2010-08-22 03:01) 

もももんががさん、こんばんは。
＞静岡
「ゾンビランド」の次辺りに公開されるのではないでしょうか。
恋愛パートは皆無なので、もももんががさん向きかもしれません。＾＾

by hash (2010-08-22 22:32) 

テンプラ・ソバ・ニーロさん、こんばんは。
そうなんですよね。
その辺りのギャップを上手く表現していたと思います。
by hash (2010-08-22 22:39) 

トミュウさん、こんばんは。
キャストだけでも一見の価値があると思います。
＞すごいこと実践してい
どこまで本当かは定かでないですが、興味深い題材でした。
by hash (2010-08-22 22:40) 

丹下段平さん、こんばんは。
＞こんな内容
私の感想はかなり極端なので、想像とはちょっと違うかもしれません。＾＾；
ストーリーにはあまり期待しないで、４大俳優の共演を楽しむ感覚で観た方が、映画そのものも楽しめるのではないかと思います。
by hash (2010-08-22 22:46) 

こんばんは。
すばらしい俳優陣の競演ですね。ストーリーがおもしろそう。
こんな芸達者がそろったら、おもしろくないはずがないと期待します。
時間があったら行ってみたいです。
by coco030705 (2010-08-31 21:01) 

coco030705さん、こんばんは。
このキャストだけでも、観る価値はあると思いますので、機会があれば、ご覧になってみてください。
by hash (2010-09-01 00:22)