運命のボタン

The Box (2009年)
監督：リチャード・ケリー
出演：キャメロン・ディアス、ジェームズ・マースデン、フランク・ランジェラ

赤いボタンのついた装置が入った箱が届けられた夫婦が遭遇する出来事を描いたスリラー。
箱が届けられた翌日、顔の一部が欠けた老人が現われ、妻に「ボタンを押せば、100万ドルを差し上げますが、あなたの知らない誰かが死にます」と伝える・・・。
「アイ・アム・レジェンド」などでお馴染みのリチャード・マシスンの原作に合わせて、70年代が舞台となっており、その古めかしさが、映画の不気味な世界観を際立たせており、序盤は今後の展開に期待が膨らむ。
SF系の話であることは、すぐに想像がつくので、あの作品が嫌いな人はすぐに興味を失うだろうが、個人的にはナンセンスなSFは嫌いでないので、終盤近くまでは、楽しむことができた。
しかし、あの理不尽極まりないクライマックスは頂けない。

あのような最初から決められていたかのようなラストであるなら、夫婦の設定や行動には何の意味もなかったということになり、映画の大半の描写は無駄である。30分のTVドラマで充分な話を、無理矢理、２時間の映画にしたようなもので、映画館まで足を運んだ身にはたまったものではない。

結局、一番ナンセンスなのは、「見知らぬ他人の為に、自分の欲望を抑えることができるか」と言う老人（宇宙人）の屁理屈だった。

運命のボタン (ハヤカワ文庫NV)

• 作者: リチャード・マシスン
• 出版社/メーカー: 早川書房
• 発売日: 2010/03/26
• メディア: 文庫

13のショック (異色作家短篇集)

• 作者: リチャード マシスン
• 出版社/メーカー: 早川書房
• 発売日: 2005/11
• メディア: 単行本

コメント 12

老人が宇宙人だったことを初めて知りました。
by 丹下段平 (2010-05-18 01:50) 

「地球が静止する日」というか「ノウイング」というかの、テキトーな話でしたね。

あの作品のほうが、潔くて好きです。
「インベージョン」の評価も高かったりします・・・


by バラサ☆バラサ (2010-05-18 01:54) 

評判かなり悪いですね。
原作も読んでみましたが、全く違うストーリーでした。
by テンプラ・ソバ・ニーロ (2010-05-18 19:51) 

丹下段平さん、こんばんは。
正しくは老人の身体を使う宇宙人といったところです。＾＾
by hash (2010-05-18 23:05) 

バラサ☆バラサさん、こんばんは。
「地球が静止する日」も「ノウイング」も、ナンセンス系ですが、一応、物語として成立しているから構わないのですが、本作は完全に破綻しているので、駄目だと思います。
by hash (2010-05-18 23:08) 

テンプラ・ソバ・ニーロさん、こんばんは。
映画は結末よりも経過の方が大事とは言え、本作は問題ありだと思いました。
短編小説の映画化も難しいですね。
by hash (2010-05-18 23:15) 

そうそう。
「世にも奇妙な物語」の１つぐらいだったら
おもしろかったかも〜。ってかんじでした☆
by ジジョ (2010-05-19 01:30) 

ジジョさん、こんばんは。
中盤の話が無ければ、不条理劇として納得できますね。
原作「Button, Button」はアメリカではTV「トワイライト・ゾーン」で映像化されているようです。
by hash (2010-05-19 23:45) 

わー。そんな宇宙人、きらいだー。（笑）
そういうのもらっちゃったらすぐ返したいけど、自分の寿命10年と引き換えって言われたら、かなり悩むかも。。
トワイライトゾーン大好き。なるほどね。そっちの方が世界観が合いそう！
by duke (2010-05-23 13:08) 

dukeさん、こんばんは。
本当に嫌な宇宙人でした。
頼みもしないのに勝手に玄関前に置いておいて、こんな金いらないと言っても聞く耳持たないで、挙句の果てに理不尽な選択を強要するという奴です。＾＾
by hash (2010-05-23 23:41) 

こんばんは＾＾
原作は短編らしいですね。
２時間近い作品にするために
ちょっと伸ばしすぎて間延び感を覚えました。
最初は面白かったんですがね～＾＾
でも、私も基本、嫌いじゃないんですよね、こういうの。
by てくてく (2010-11-09 23:50) 

てくてくさん、こんばんは。
原作の設定だけ頂いて、あとはオリジナルのようですね。
途中の描写がほとんど無意味に思えて、脚本の悪さを感じました。

by hash (2010-11-10 00:59)