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ハート・ロッカー [タイトル:ハ行]

The Hurt Locker (2008年)
監督:キャスリン・ビグロー
出演:ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー、ブライアン・ジェラティ
hurtlocker_1.jpghurtlocker_2.jpg
イラクにて爆弾処理の任務をこなす兵士の命がけの日常を描いた戦争ドラマ。
2009年度アカデミー賞において作品賞、他計6部門受賞。
殉職した前任者に代わり、ブラボー中隊に配属された爆弾処理のエキスパートがイラク各地に手を変え品を変え仕掛けられた爆弾を処理していく模様がドキュメンタリー・タッチで描かれている。

“War is a Drug”
「戦争は麻薬=人間性を麻痺させる」ということなのだろう。

当然のことながら、戦争に従事した経験はないが、その死と隣り合わせの恐怖を疑似体験するかのような感覚は他の戦争映画においても類を見ない。決して反戦を高らかに謳うような内容でない本作が評価された要因はこの点に尽きると思う。

爆弾や狙撃という題材そのものや、知名度の低い俳優が主要キャラクターを演じ、名の知れた俳優を脇に配すという意表をついたキャスティングが緊迫感を煽ることに功を奏しているのは確かだが、それらには前例があることを考えれば、やはり演出の力強さが抜きん出ているのは確かである。
ストーリーはあって無いようなものなので、脚本賞受賞には首を傾げたくもなるが、この全編にみなぎる緊張感は文字では表現できないくらい並々ならないものがあり、これまでも女性ながら男前な作品を撮ってきたK・ピグロー監督の面目躍如という感じで、監督賞受賞は当然の結果と言えよう。

K・ピグロー監督作
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他にもあるが、世に普及していないようだ

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コメント 26

相楽

その場の臨場感が等身大の大きさでひしひしと伝わってくる作品でした
社会派ぶってなかったのも非常に良かったと思います

by 相楽 (2010-04-02 22:22) 

aneurysm

>これまでも女性ながら男前な作品

ハートブルーはビデオ時代によく見ました。
潜入捜査官と犯人との友情は男前な話で
好きですね。
by aneurysm (2010-04-03 11:16) 

トミュウ

キャスリン・ビグローはなかなか骨太な作品を撮る監督ですね。
映画全体のピリピリと来る緊張感は本当、ただならぬものが
ありました。
by トミュウ (2010-04-04 00:01) 

コッスン

私は、この作品、退屈ーーと思ったんですが
War is a Drugというより(ドラッグを知らないけど)
そこでしか生きられなくなってしまう
と感じました。
ショーシャンクの空にで
刑務所でしか生きられなくなってしまうように。
主演のジェレミーレナー良かったですよね。
好演です。(^^)v

by コッスン (2010-04-04 01:28) 

CORO

思想を作品に持ち込まない監督だと聞きましたが
男前な作品…いいですね^^
by CORO (2010-04-04 01:55) 

coco030705

こんにちは。
キャスリン・ビグロー監督、アカデミー賞授賞式で女優さんそこのけバリの
美しく知的な人で、びっくりしました。

映画は「男前」なんですね。女性としてあこがれますね。

>死と隣り合わせの恐怖を疑似体験するかのような感覚

観た人がサウンドの効果がすごかったといってました。
そういうことなんですね。

私は劇場で観る勇気はありませんが、DVDで観たいと思います。
by coco030705 (2010-04-04 12:05) 

hash

相楽さん、こんばんは。
これほどの臨場感はなかなかお目にかかれないと思います。
nice&コメントありがとうございました。
by hash (2010-04-04 22:33) 

hash

aneurysmさん、こんばんは。
「ハート・ブルー」は勿論ですが、「ストレンジ・デイズ」も好きです。
次回作にも期待大です。
by hash (2010-04-04 22:35) 

hash

トミュウさん、こんばんは。
女性とは思えない作品ラインナップですね。
女性ならではの目線が良い結果をもたらしているのかと思います。
by hash (2010-04-04 22:38) 

hash

コッスンさん、こんばんは。
>そこでしか生きられなくなってしまう
麻薬=常習性と考えれば、同じ意味だと思います。
>ジェレミーレナー
「28週後」で火だるまにされていたのが印象にあり、いつ吹っ飛ぶのかヒヤヒヤしました。
by hash (2010-04-04 22:41) 

hash

COROさん、こんばんは。
過去作品も未見であれば、「ハート・ブルー」か「ストレンジ・デイズ」をご覧になってみて下さい。
by hash (2010-04-04 22:43) 

hash

coco030705さん、こんばんは。
>美しく知的な人
ジェームズ・キャメロン好みという感じですよね。
>死と隣り合わせの恐怖
オーバーな表現ですが、見ていただければ、なんとなくわかってもらえるかと思います。
by hash (2010-04-04 22:47) 

コッスン

ジェレミーレナーは28週後で火だるまだったんですか?
28週後は、内容を知らずに見に行って
恐ろしくて見たのを後悔しましたよ。
兵士みたいな役でしたよね。
昨日、ムービープラスでSWATやってましたが
生意気でした。(爆)

coco03705さんへ
この作品は映画館で見ないと
音響や爆発の振動が味わえないので
劇場でみた方がいいと思いましたよ。

by コッスン (2010-04-05 00:24) 

ジジョ

ほんと、緊張感のある作品でした。。
爆弾処理を題材として選んだのも絶妙でしたね〜☆

by ジジョ (2010-04-05 00:32) 

hash

コッスンさん、こんばんは。
「SWAT」では悪役でしたっけ。
ジェレミーレナーは今後、目にする機会が増えそうですね。
by hash (2010-04-06 21:07) 

hash

ジジョさん、こんばんは。
イラク戦争=爆弾テロというイメージですが、これまで爆弾を扱った作品はなかったような気がします。
目の付け所が良かったですね。
by hash (2010-04-06 21:09) 

たまさん

〈ストーリーはあって無いようなものなの〉
というのは私もそう感じましたが、
冒頭からの緊迫感は並ならぬものがありましたよね。

ビグロー監督らしい演出もあったと思いますが、
こんな爆弾処理班を描いた作品を作るとは
思っていなかったです。


by たまさん (2010-04-07 15:26) 

hash

たまさんさん、こんばんは。
緊張感が終始持続する作品でしたね。
今作は前作から随分と待たされたので、次回作は早く見せて欲しいです。
by hash (2010-04-07 21:54) 

duke

>死と隣り合わせの恐怖を疑似体験
あーー。緊迫感がありそうです!!
絵空事ではないのですね。
by duke (2010-04-08 21:43) 

hash

dukeさん、こんばんは。
表現は大袈裟かもしれませんが、言葉にするとそんな感じです。
by hash (2010-04-08 23:37) 

かかとう

「ハートブルー」のキャスリン・ビグロー監督のオスカーゲットは感慨深いです。
オスカーゲット後はどのような作品を撮るのかも興味深いです。
男前を貫くのか、それとも裏かいてラブストーリーだったりしたら面白そうです。
by かかとう (2010-04-09 17:47) 

hash

かかとうさん、こんばんは。
オスカー監督の肩書きを得ただけに、自由に何でも作れるでしょうから、どんな作品を見せてくれるか、今から楽しみです。
by hash (2010-04-10 01:41) 

てくてく

緊張感は尋常じゃなかったですね。
あのような場所でしか生きられない・・・と言うのも考えさせられます。

「ハートブルー」、面白かった記憶があります。
今、もう一回観てみたいですね。
by てくてく (2010-04-10 16:51) 

hash

てくてくさん、こんばんは。
この緊張感は日常生活ではなかなか味わえません。
「ハートブルー」や「ストレンジデイズ」を改めて、見直したいです。
by hash (2010-04-10 20:05) 

オカピー

戦場にいるかのような緊張感即ちもの凄い臨場感に尽きる作品でしたね。

>War is a drug.
僕はこれを戦争中毒と意訳していますが、この作品では二通りの解釈が為されているようです。
多数派は「中毒だから再び戦場へ帰って行った」という解釈。
僕は少数派で、「中毒から脱却したが、思うところあって戦場へ帰った」という解釈。

>脚本賞
そうですねえ。僕も疑問です。
先年アメリカ映画市場のベスト1脚本が「カサブランカ」になった時、どうもアメリカ人はお話より台詞を重視するのではないかと感じました。

ところで、大変お忙しいようですね。
早く復帰される日をお待ちしております。
by オカピー (2011-03-09 23:30) 

hash

オカピーさん、こんばんは。
緊張感も臨場感も心底体感できる作品で、演出の力強さを感じました。
>台詞を重視
そんな感じですね。
今年もそんな作品がアカデミー賞を獲りました。^^
>お忙しい
大変というわけでもないのですが、ちょっとバタバタしています。^^;
by hash (2011-03-11 00:17) 

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