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セントアンナの奇跡 [タイトル:サ行]

Miracle at St. Anna (2008年)
監督:スパイク・リー
出演:デレク・ルーク、マイケル・アーリー、ラズ・アロンソ、オマー・ベンソン・ミラー
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第二次世界大戦末期、イタリアの小さな村で、部隊からはぐれた4人の黒人兵を描く戦争映画。

アメリカでの公開前、S・リー監督は、「クリント・イーストウッドの硫黄島2部作は黒人兵が登場しないからインチキ映画だ」と公言したと聞き、そんな的外れな事を言うからにはどんな立派な作品を作り上げたのかと、興味本意で観てみたら、焦点の定まらない無駄に長い(163分)だけの凡作だった。

映画は、83年のニューヨークで起きた殺人事件の真相を犯人の過去を描くことで明らかにするミステリー形式になっており、結論から言うと、戦中の裏切者を40年後に仕留めたという事なのだが、それならば、たまたまその場にいた黒人兵ではなく、裏切りの当事者であるパルチザン兵を主体に描かなければ、説得力がないし、ご都合主義的ラストも生きてこない。
当然、S・リーが描きたかったのは、そんなことではなく、第二次世界大戦において、黒人兵はコックや清掃など雑用だけをしていたのではなく、差別に遭いながらも祖国の為に命がけで戦ったという点だったはずで、その点をストレートに描く題材が他にもあったであろうと思われ、もったいないと思う。
おそらく、S・リー自身も作品がまとまりのないひどい出来で、批評家に酷評されるとわかっており、せめて黒人層にアピールしたいと思い、先の発言をすることで、心情を煽り、劇場へ足を運ばせようとしたのであろう。
結果的には、全くの逆効果で、S・リー作品としては破格の4,500万ドルもの制作費にも関わらず、アメリカ国内の興行収入は800万ドル弱に終わり、2008年の大コケ映画の1本となった。
口は災いの元と言うが、それにしてもアメリカ映画界の重鎮を踏み台にしようとは、身の程知らずも甚だしい。
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CORO

予告で興味を持ってたんですが、
さすがに163分は長いですね。
心が折れそう。
by CORO (2009-08-12 20:45) 

hash

COROさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
確かに折れました。
しかも、古いミニシアターでの上映だったので、イスが小さく疲れました。
劇場自体が小さいせいか、不思議と満席で、なおさら堪えました。^^;
by hash (2009-08-13 00:28) 

てくてく

hashさん、厳しい!
しかし重鎮に対する発言は、カチンと来ますね・・・^^

冒頭のミステリタッチの入りから、
“どういうことなんだろ?”と興味はそそられました。
確かに長かったわりに、メッセージは伝わり難かったかもしれませんね。
by てくてく (2010-02-18 18:36) 

hash

てくてくさん、こんばんは。
最初から、斜めな視点で見ていたことは反省してます。^^;
加えて、小さいイスの劇場で満席だったのもマイナスに働きました。
それにしても、焦点がぼやけた内容だったような気がします。
by hash (2010-02-18 22:30) 

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