ブラックサイト

Untraceable (2008年)
監督：グレゴリー・ホブリット
出演：ダイアン・レイン、ビリー・バーク、コリン・ハンクス、ジョセフ・クロス

殺人をネットで公開する犯人を追う女性FBI捜査官の姿を描くサスペンス
「ソウ」と同様、自らの手で殺人装置を作る男が登場することもあり、ホラー色がより強く、その分、サスペンス色は薄いように思う。
現実的に考えると、殺人の為に手間隙かけて装置を作る者など稀有な存在かと思うが、「ソウ」と違い、本作の特色は、「人は他人が死ぬところが見たい」という犯人の言葉が代弁しているように、所謂、“恐いもの見たさ”という人間の好奇心を突いている点である。
裏サイトや闇サイトと呼ばれる悪質なサイトは日本にも多数存在し、海外のテロリストは処刑の模様をネットで公開しているという現実を考えれば、身動きの取れない被害者の姿をネットで公開し、サイトのサクセス数に応じて、徐々に死に至たしめるという設定は、素直に恐ろしい。
残念なのは、「追跡不能」という原題の通りの展開な為、犯人サイドの一方通行的な描き方になった分、スリルを感じさせる場面が少ない点で、総じて尻すぼみな印象が否めない。

D・レインは、10～20代にかけてはアイドル女優的な存在で、以降は人気の面で低迷したものの、地道に活動を続け、2002年の「運命の女」のオスカーノミネートをきっかけに、近年は再び、こうして主役を演じるようになった。「レスラー」のマリサ・トメイと同様、女優魂を感じさせる。

コメント 8

ダイアンレイン！マイケル同様、お久しぶりーーな気分です。
ネット公開、怖いですね。こういう、人間の低次元の欲望を衝いたものって、嫌ーな気分になっちゃう。うぅっ怖い。
コリンハンクスさんの名前に下世話な興味を抱いたところ、トムの息子さんだったんですねー＾＾　
by duke (2009-07-01 11:56) 

dukeさん、こんばんは。
nice!＆コメントありがとうございます。
＞マイケル同様
そう言えば、ショウビズ界では、ほぼ同世代ですね。
＞コリンハンクスさん
父親ほどビッグではないですが、地道に活動しているようです。
by hash (2009-07-02 00:48) 

最後、あの実況を観ていたユーザーの
「この動画どうやって保存するの？」
みたいな書き込みがリアルでした。
他人の命より自分の好奇心…根深いですね。
by CORO (2009-07-04 20:54) 

COROさん、こんばんは。
nice!＆コメントありがとうございます。
地味ながら恐いシーンでしたね。
"Curiosity killed the cat"と言うように、ほどほどにしなければいけませんね。
by hash (2009-07-05 00:41) 

実際今もどこかでこういう事件が起こっていそうな気がする映画でした。
現実には国家保安局のスパコンを使って秘密裏に処理されていそうな気がしますが...。
by satoco (2009-07-05 09:14) 

satocoさん、こんばんは。
nice!＆コメントありがとうございます。
不気味な恐さがありましたね。
日本にもブラックサイトを監視している組織はあるのか気になります。
by hash (2009-07-06 00:01) 

サスペンスとして構成出来た作品なのに勿体ない事をしたなあ、というのが僕の印象。
脚本グループが、最初にミラーサイトができるからとアクセスできないという理由づけを与えたのがまず問題。冷戦時代ではあるまいし、国家組織ならロシアと交渉できますって。そういう描写を加えておいて、それでも閲覧を止められないというならサスペンスとしても面白くなったのですけどねえ。
現実感としてもサスペンス構成術としても失格でした。

アクセスと言えば、僕の記事への書き込みでは「アクセス」という言葉は禁止用語です。一時うるさい中傷的書き込みがあったもので。
by オカピー (2009-08-23 00:23) 

オカピーさん、こんばんは。
コメント＆TBありがとうございます。
サイトの閲覧数に応じて死に至るという設定に満足してしまった感じですね。
確かに勿体ない作品でした。
by hash (2009-08-23 00:52)