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デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~ [タイトル:タ行]

Duplicity (2009年)
監督:トニー・ギルロイ
出演:ジュリア・ロバーツ、クライブ・オーウェン、ポール・ジアマッティ、トム・ウィルキンソン
duplicity_2.jpgduplicity.jpg
産業スパイの男女とその雇い主が、それぞれの思惑を胸に繰り広げる駆け引きの模様を描く。
CIAとMI6の元スパイが、トイレタリー製品メーカーの産業スパイとなるという設定や、冒頭のJ・ロバーツとC・オーウェンの洒落た会話劇、そして、P・ジアマッティとT・ウィルキンソンの取っ組み合いの喧嘩を見る限りは、騙しあいの喜劇が面白おかしく展開するのかと思い、期待していたが、意外にコメディ色は薄く、単に軽いという感じの内容だった。
T・ギルロイと言えば、シンプルな話をややこしく描くことで、観客を煙に巻き、最後にきれいにまとめることで、納得させるのが得意という印象があり、今回もその通りに展開するのだが、ラストのどんでん返しにこだわり過ぎて、細部の詰めが疎かになってしまったように思う。
あのラストだと、主役の2人は色恋に夢中で、仕事がおざなりなアマチュアスパイにしか見えず、P・ジアマッティもただの間抜け社長に見えてしまい、トップの座を賭けて、しのぎを削りあうライバル企業に雇われた敏腕スパイという設定自体に説得力が無くなってしまった。
終わってみれば、90年代後半からよく見かける、先にどんでん返しありきのサスペンスになってしまい、その意味では、T・ギルロイらしくない作品だったように思われ、残念である。
どんでん返しが無ければ、ライトコメディとして、それなりに楽しめる作品だったと思うが、T・ギルロイのプライドが許さなかったのだろうか。


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槍のビヂョンド

出演者は良かったのですが、仰る通り内容の詰めが甘い気がしました。
オチであるポール・ジアマッティの総会での演説も、その話しぶりは堂々としていて素晴しいのにやっている事が間が抜けている。
その間抜けさを笑うべきなのでしょうが、詰めが甘いので笑うに笑えなかったです。
by 槍のビヂョンド (2009-05-11 07:27) 

hash

槍のビヂョンドさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
コメディに分類するほど、コメディ仕立てにはなっていないし、サスペンスとしては、やはり詰めが甘かったですね。
期待していただけに残念でした。
by hash (2009-05-12 00:01) 

duke

あーーー。そ、そうですか^o^;
期待度低くして見に行きます。
クライブ オーウェン、覚えます!
by duke (2009-05-12 00:58) 

hash

dukeさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
どうも期待をしすぎてしまったようです。
平常心で観れば、また違った感想になったかもしれません。^^;
by hash (2009-05-12 22:27) 

クリス

同感ですねー。
軽いけど笑えないっていうノリ。
それに、2人がプロにみえなかったこと。
ギルロイらしさがたりなかったと思います。
by クリス (2009-05-18 21:28) 

hash

クリスさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
>2人がプロにみえなかった
どんでん返しサスペンスの弊害が見事に表われていましたね。
本当にギルロイらしくなく、残念でした。
by hash (2009-05-18 22:55) 

てくてく

あんまり面白さは感じませんでしたよね~。
一生懸命ついて行こうとして
必死でみたのに・・・余計に哀しくなりました^^;
しかし、冒頭のオジサン2人の取っ組み合いはイイッ。
by てくてく (2009-11-02 16:10) 

hash

てくてくさん、こんばんは。
キャストは良かっただけに出来がイマイチで残念でした。
>オジサン2人の取っ組み合い
一番、印象的なシーンでしたね。^^
by hash (2009-11-03 00:05) 

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