サンキュー・スモーキング [タイトル：サ行]
Thank You for Smoking (2005年)
監督：ジェイソン・ライトマン
出演：アーロン・エッカート、キャメロン・ブライト、ウィリアム・H・メイシー
タバコ研究アカデミーのスポークスマンが得意の話術を駆使してタバコ反対派と戦う風刺コメディ
主人公は、論理をねじ曲げてでも聴衆が納得すれば勝ちだと言って、それを実践してみせ、実際に妙に説得力がある。まさに同じ政党の候補者同士でさえもディベートさせてしまう討論大国アメリカらしい皮肉の効いた映画で面白い。
MOD（merchant of death=死の商人）スクワットと称して、タバコとアルコールと銃の業界広報担当が集まり、1年に何人、1日に何人殺しているかを競い、タバコの数字が圧倒していることをさりげなく公表することで、タバコ=害というイメージをもたせ、ハリウッドスターに映画の中でタバコを吸わせる為の費用が1人だと1,000万ドル、2人なら2,500万ドルというセリフから、今後、映画の中でスターがタバコを吸っていたら、タバコ会社からそれだけのお金をもらったのだと思い込ませ、結果としてタバコ会社のイメージを悪くしている。ちなみにこの映画にタバコを吸うシーンはない。
あくまでも話術の得意なタバコ業界のPRマンの奮闘記で、タバコ会社の悪行を訴えるような社会派映画ではないにも関わらず、映画が終わる頃にはタバコ会社＝悪者というイメージが植えつけられ、「論理ならぬ主題のすりかえ」が映画の中で行なわれており、構成の巧みさを感じる。
ディベートに勝つための手段として紹介されている「論理のすりかえ」は、ディベートとはあまり縁のない日本では目にする機会がないように思えるかもしれないが、「刑事コロンボ」のような刑事ドラマや推理小説などで実際よく見かけられる。
WOWOWでこの映画を観たのだが、その直前に邦画「HERO」が放送されていた。ご存知の通り、型破りな検事を主人公にした人気TVシリーズの映画版である。
映画の中で主人公達が裁判で証明したのは被告が別の事件の証人であるはずがないということで、殺人を行なったかどうかの立証ではない。まさに「論理のすりかえ」で観客を納得させるという手法をとった映画と言えるだろう。
また、主演俳優が不必要と思えるくらい何本もタバコを吸っていたが、彼はそれで幾らもらっているのだろうと思ってしまう。
WOWOWは故意にこのような並びで放映したのではないかと思うというのは考えすぎか・・・・・。
監督：ジェイソン・ライトマン
出演：アーロン・エッカート、キャメロン・ブライト、ウィリアム・H・メイシー
タバコ研究アカデミーのスポークスマンが得意の話術を駆使してタバコ反対派と戦う風刺コメディ
主人公は、論理をねじ曲げてでも聴衆が納得すれば勝ちだと言って、それを実践してみせ、実際に妙に説得力がある。まさに同じ政党の候補者同士でさえもディベートさせてしまう討論大国アメリカらしい皮肉の効いた映画で面白い。
MOD（merchant of death=死の商人）スクワットと称して、タバコとアルコールと銃の業界広報担当が集まり、1年に何人、1日に何人殺しているかを競い、タバコの数字が圧倒していることをさりげなく公表することで、タバコ=害というイメージをもたせ、ハリウッドスターに映画の中でタバコを吸わせる為の費用が1人だと1,000万ドル、2人なら2,500万ドルというセリフから、今後、映画の中でスターがタバコを吸っていたら、タバコ会社からそれだけのお金をもらったのだと思い込ませ、結果としてタバコ会社のイメージを悪くしている。ちなみにこの映画にタバコを吸うシーンはない。
あくまでも話術の得意なタバコ業界のPRマンの奮闘記で、タバコ会社の悪行を訴えるような社会派映画ではないにも関わらず、映画が終わる頃にはタバコ会社＝悪者というイメージが植えつけられ、「論理ならぬ主題のすりかえ」が映画の中で行なわれており、構成の巧みさを感じる。
ディベートに勝つための手段として紹介されている「論理のすりかえ」は、ディベートとはあまり縁のない日本では目にする機会がないように思えるかもしれないが、「刑事コロンボ」のような刑事ドラマや推理小説などで実際よく見かけられる。
WOWOWでこの映画を観たのだが、その直前に邦画「HERO」が放送されていた。ご存知の通り、型破りな検事を主人公にした人気TVシリーズの映画版である。
映画の中で主人公達が裁判で証明したのは被告が別の事件の証人であるはずがないということで、殺人を行なったかどうかの立証ではない。まさに「論理のすりかえ」で観客を納得させるという手法をとった映画と言えるだろう。
また、主演俳優が不必要と思えるくらい何本もタバコを吸っていたが、彼はそれで幾らもらっているのだろうと思ってしまう。
WOWOWは故意にこのような並びで放映したのではないかと思うというのは考えすぎか・・・・・。
監督さんは「ＪＵＮＯ」の人ですよね。
個性的なセンスは、ずば抜けているように感じました。
これからも注目して行きたい才能ですね＾＾。
by てくてく (2008-06-20 00:30)
てくてくさん、こんばんは。
「ゴースト・バスターズ」や「ツインズ」を撮ったアイバン・ライトマンの息子さんらしいですね。
父親とは違ったスタイルを持っているようで、今後の作品にも期待が持てそうです。
nice!＆コメントありがとうございました。
by hash (2008-06-20 21:24)
リックディアスさん、こんばんは。
nice！ありがとうございます。
by hash (2008-06-20 21:25)
ファミリー・ネームが同じと思ったらやはりアイヴァンの息子なんですね。親父より後世に名の残る監督になるかもですよ。
＞“論理ならぬ主題のすりかえ”
なるほど。そう言われて観ればその通りかもしれませんね。
当方、煙草は生まれてこの方吸ったことがないですが、間接喫煙は随分してきたなあ。
＞WOWOWは故意にこのような並びで放映したのではないかと思うというのは考えすぎか・・・
多分（笑）。
しかし、のんびりしているように見えてＷＯＷＯＷも結構考えているんですよね。先月には三月のチベット騒乱に絡めて、スコセッシの旧作「クンドゥン」を放映したりしていますもの、案外・・・
by オカピー (2008-06-21 01:20)
オカピーさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
次に撮った「ジュノ/JUNO」も大絶賛されていますし、今後の作品が期待できそうな監督ですね。
日本では喫煙試写会なるものが開催され、愛煙家がタバコを吸いながら鑑賞して楽しんだらしいです。観る人によって、捕らえ方が180度違う映画なんですね。
by hash (2008-06-22 16:53)