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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド [タイトル:サ行]

There Will Be Blood (2007年)
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:デニエル・デイ・ルイス、ポール・ダノ、ケヴィン・J・オコナー
beblood.jpgtherewillbeblood.jpg
20世紀初頭のアメリカを舞台に、ある石油王の軌跡を綴る物語。
これまで、「ブギーナイツ」や「マグノリア」では群像劇を撮ってきたP・T・アンダーソンだが、ここでは、2時間半を超える長編ながら、D・D・ルイスの独壇場と言っていいくらい、一人の人物の強烈な半生を描いている。
主人公の“Plainview”という名前は、アメリカでは珍しくない街の名前だが、文字通りにとると“明白な(=Plain)見解(=view)”となり、主人公の石油発掘の為には何でも利用するという徹底した人生観を表していて、それを見事に表現したD・D・ルイスの熱演が光り、アカデミー賞獲得も納得できる。
タイトルにある“Blood”とは、石油を大地の血と見立てたり、文字通り劇中で流された血など、いろいろな意味が考えられるが、一番は家族(=血縁)という意味であると思われ、仕事仲間を家族と考えながらも、弟や息子とは血のつながりはなかった主人公が一番、欲しかったものなのではないだろうか。だから、タイトルは“Will Be”という未来形になっていて、最後まで叶わぬものとして描かれている。これを日本語で表現するのは難しいので、そのままカタカナにした邦題は正解かもしれない。
この作品に限ったことではないが、P・T・アンダーソンの作品はとても長い上に起承転結という流れがないので、観ていて辛いものがあるが、西部開拓時代が終わった後のアメリカの歴史の1ページを、1人の石油王を代弁者として描いたような内容は興味深く、観た甲斐はある。
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クリス

そうですね。もしかしたらPlainviewという苗字は、彼がこしらえたものだったりして。
PTAの作りは確かに起承転結が守られていませんが、なにか惹きつけてやまない魅力を感じます。
by クリス (2008-05-18 09:19) 

hash

クリスさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
これまで、PTAの作品は苦手にしていたのですが、この作品を観て、過去作品を見直したいと思いました。
by hash (2008-05-18 23:32) 

duke

こんにちは!私はマグノリアの最後で倒れたクチですが、他の作品も見たくなりました。
この人が「弟」と聞いただけで片腕にし、心の内も話していたので「家族」はこの人にとってすごいことなんだと思いました。
by duke (2008-06-22 22:36) 

hash

dukeさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。

>私はマグノリアの最後で倒れたクチですが
私もです。
ですが、この作品を観て、また観てみたくなりました。

by hash (2008-06-23 23:19) 

Labyrinth

(^_^)ノ こんばんは。
私は反対に、本作がお初でしたので・・・(苦笑)
そうなると、長尺覚悟で! 旧作も見てみたくなりますね~
「マグノリア」 覚えておきたいと思います。
by Labyrinth (2008-08-27 00:25) 

てくてく

おはようございます^^
家族を拒絶していても、
もう一方では彼が一番欲しいものであったのでしょうね。
最後の息子に浴びせた言葉など、
“何もそこまでして嫌われなくても・・・”と思いましたが、
それがプレインビューという男なのでしょう。
妙に力強い作品でした。
by てくてく (2008-08-27 06:59) 

hash

Labyrinthさん、こんばんは。
「マグノリア」は本作以上に長い(187分)です。
私も、また観たいと思いつつも、なかなかその気になれません(笑)
nice!&コメントありがとうございました。
by hash (2008-08-27 22:00) 

hash

てくてくさん、こんばんは
本当に力強さを感じますね。
決して共感できるような人物ではないにも関わらず、その強烈なキャラクターと半生には、何故か見入ってしまいました。
nice!&コメントありがとうございました。

by hash (2008-08-27 22:06) 

オカピー

登場人物の名は原作と全く関係なくアンダーソンの創作らしいですね。
ダニエル・プレインヴューは、ダニエル・デイ=ルイスのダニエルとプレインビューという名字から成っているわけですが、plainviewは「見たまんま」といった意味にもなりそうなので、相当意味深長な命名です。
牧師のポールもポール・ダノから取られているのでしょう。

hashさんがコメントで仰っているように、主人公は共感できはしないが決して否定もできない人物像ですよね。
言わばアメリカ的資本主義精神の権化(実体化)と思います。
by オカピー (2009-05-25 01:25) 

hash

オカピーさん、こんばんは。
コメント&TBありがとうございます。
いろいろな面において興味深いものがある作品でした。
アメリカを代弁する男をイギリス人が演じて、オスカーを獲るというのも、面白いですね。
by hash (2009-05-26 01:01) 

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