クローバーフィールド／HAKAISHA

Cloverfield (2008年)
監督：マット・リーヴス
出演：マイケル・スタール・デイヴィッド、ジェシカ・ルーカス、リジー・キャプラン

正体不明の怪物がNYマンハッタンを破壊していく中、恋人を助けに向った男とその友人をビデオカメラで映したという設定の映画
人間は誰しも不謹慎なところがあるもので、何かが破壊される様子に楽しさや美しさを感じ、その何かが大きいほどその感情も増し、破壊する物がモンスターであれ、自然であれ、ディザスタームービーと呼ばれるものがヒットする要因の一つとなっていると思う。
首のない自由の女神像が描かれたポスターや、その首がマンハッタンに落ちてくる予告編を観たら、その破壊の美学のようなものを期待するが、残念ながらその期待は裏切られる。
邦題には破壊者という副題がついているにも関わらず、映画で描かれるのは、あくまで数人の男女の行動であり、破壊者の方ではない。たまたま持っていたビデオカメラで撮った映像という設定なので、映されるショットに限界がある為、仕方ないことかもしれないが、これでは、約10年前の映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」と同じで、既に地位も名声も得ているJ・J・エイブラムズが何故今更このような人まね作品を作ったのかと疑問に思う。
また、肝心のモンスターの造詣も他の映画の亜流にすぎないのもがっかりで、隠し続けたのは自信がなかったからと思えてくる。
最初から続編ありきの作り方で、既に続編の製作はスタートしているようだが、同じ手法で作っても失敗することは製作陣はわかっているはずで、おそらく全く違った趣向の作りになると思われ、今度はモンスターの方をメインにして、今作では謎のままだったその正体を明らかにするつもりなのかもしれない。そうだとすると、TVドラマで培った、じらしの手法を映画の世界に持ち込んだことになり、似たような感じの作品があふれマンネリ化が否めないハリウッドに一石を投じた新たな取り組みであることを期待したい。
そうでないなら、実質80分程の上映時間で、余分なシーンをカットして編集すれば30分程度にまとめられそうな本作は、映画館で上映するようなものではなく、遊園地かどこかで映像アトラクションとして上映するべきだと思う。

コメント 6

続編決定なのですね。
私は楽しんだのですが、１発勝負の感は否めないですよね＾＾；
続編、観に行くかな～、なんて思いながらも
やっぱり行っちゃいそうです（笑）
きっとまた、上手い宣伝するのでしょうね。
by てくてく (2008-04-20 06:53) 

てくてくさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を観ていなかったら、楽しめたと思います。
続編がどんな内容になるのかわかりませんが、私もなんだかんだで観に行ってしまうと思います。
by hash (2008-04-20 20:51) 

弊記事までＴＢ＆コメント有難うございます。

映像処理などミクロ的に分析すればよく出来た映画（でも某解析ブログのように１００点満点で２２０点はありません）ですが、映画はマクロ的に観て評価しないといけない側面もあると考えるので、僕は凡作・傑作の中間的な評価となりました。

主人公が日本へ行くのは「ゴジラ」へのオマージュですね。

by オカピー (2009-06-13 02:05) 

オカピーさん、こんばんは。
コメント＆TBありがとうございます。
どちらかと言えば、評判はいい方ですね。＾＾
最初から最後まで、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の模倣だったのは期待はずれでした。
by hash (2009-06-14 00:36) 

hashさんを始め、あらゆるサイトでかなり酷評されていましたが、
私的には好きそうな分野なので、怖いもの見たさで鑑賞してみました。

私は「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」は観ていないし、
斬新な撮り方、しかもビデオ越しの映像をどう撮ったのかを考えれば
そんなには酷くないのかと....

hashさん程の見識が無いので「まぁまぁ」の評価でした(^_^;)
「ディー･ウォーズ」よりはマシです。

でも映画館だったら観られなかったかも？って位、揺れますよね（笑）

by ひろくん (2009-06-17 21:19) 

ひろくんさん、こんばんは。
nice!＆コメントありがとうございます。
酷評されてましたか？
私が見た限り、概ね好評だったので、私だけかと思っていました。＾＾
極端な話、金持ちが貧乏人のアイデアをパクっただけに終わっていて、+αがなかったのが、気に入らなかっただけなんですけどね。＾＾；
by hash (2009-06-17 23:21)