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ダージリン急行 [タイトル:タ行]

The Darjeeling Limited (2007年)
監督:ウェス・アンダーソン
出演:オーウェン・ウィルソン、エイドリアン・ブロディ、ジェイソン・シュワルツマン
darjeeling.jpgdarjeelinglimited.jpg
疎遠だった3兄弟がインドを列車で旅していくうちに絆を取り戻していく様子を描くロード・ムービー。
「ザ・ロイヤル・テネンバウムス」や「ライフ・アクアティック」同様、人の死と絆を描いたW・アンダーソンの不思議な世界が楽しめる。
三人兄弟の会話や行動を面白おかしく描きながら、それぞれが当人のいないところで兄弟の隠し事を暴露しあうことで隠し事でなくなり、互いを知ることになり、思いやりが生まれ、信頼関係ができるという流れを盛り込んだ脚本はきれいにまとまっている。
また、三人が持ち運ぶ荷物の多さを印象付けておいて、ラストで父親の遺品であるスーツケースを始めとする全ての荷物を捨てて列車に飛び乗るシーンから、過去との決別を明らかにするというように見せ方もうまい。
そして、意図したわけではないだろうが、顔中に包帯を巻いているO・ウィルソンの姿が、現実の本人と被り、思わぬ効果を生んでいる。
10分ほどの短編をパート1として、90分ほどの本編をパート2とする構成の意図するところは謎だが、パート1でのナタリー・ポートマンの大胆な登場とパート2のラストにある執筆中の小説のラストシーンだというセリフから考えるとパート1は三男の妄想だったのかとも考えられ、全てを明らかにせず、観客の想像に委ねているところからも映画の楽しませ方を心得ている感じがする。
王道的でありながら、独創的でもあるユニークな作品で、W・アンダーソンの次回作が待ち遠しい。

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コメント 4

トミュウ

こんばんわ!TBありがとうございました。
確かに描くテーマは普遍的でありながら、独特の雰囲気があるところが魅力ですよね。
スローモーションの使い方も結構好きでした。

また寄らせて頂きますね〜。
by トミュウ (2008-04-13 20:25) 

hash

トミュウさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
ありがちなストーリーなのですが、独特の世界を作り上げているところが面白いですね。
今後もよろしくお願いします。
by hash (2008-04-14 21:23) 

オカピー

hashさん、病院から昨日帰還致しました。
思ったよりは早く帰れましたので、本日からぼちぼち活動再開致しております。
励ましのコメント有難うございました。

僕は若いアンダースンの作劇が既に自縄自縛に陥っている感じがしたのですが、翻ると作家性が非常に高いことの裏返しであり、それは我が邦の黒澤明も小津安二郎も経験していることなので、僕を唸らせるような作品も発表してくれると思います。
by オカピー (2009-07-20 10:26) 

hash

オカピーさん、こんばんは。
退院おめでとうございます。
W・アンダーソン作品は、普通のストーリーの中に独特の雰囲気があり、楽しませてくれるので、次回作にも期待してしまいます。
by hash (2009-07-21 00:15) 

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