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ミスティック・リバー [タイトル:マ行]

Mystic River (2003年)
監督:クリント・イーストウッド
出演:ショーン・ペン、ロビン・ウィリアムズ、ケビン・ベーコン
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少年時代に起きた事件をきっかけに疎遠になり、別々の道を歩んでいた3人の男たちが、ある殺人事件をきっかけに再び交錯する人生模様を描いた作品。
犯人は誰かという殺人ミステリーとしての面白さも充分にあるが、それより素晴らしいのが複雑な背景を背負った3人の男たちのドラマであり、演じる俳優陣の演技であり、その演出である。
2003年のオスカーで主演男優賞と助演男優賞を獲得したが、作品賞や監督賞は逃している。これはこの年のオスカーが、「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」一色に染まったせいで、もし近年の「クラッシュ」や「ディパーテッド」が相手なら、間違いなく獲得していたと思われる秀作で、何度観ても見ごたえがある。
オスカーを獲得した2人は言うまでもないが、K・ベーコンとその同僚役のローレンス・フィッシュバーン、妻役のマーシャ・ゲイ・ハーデンとローラ・リニーらの演技は見ごたえがあり、特に出番は少ないものの強烈な印象を残すL・リニーは秀逸であり、オスカーにノミネートされなかったのが不思議なくらいである。
そして、T・ロビンス演じるデイブが2人の男の車に乗せられ去っていくシーンを、少年時代のときと同じカットで撮ることで、彼の悲しい運命を暗示させ、C・イーストウッド監督の特徴である影の多いショットがこのミステリーの残酷性を際立たせ、奥深さを感じさせる。
また、S・ペン演じるジミーは「もし連れ去られたのが俺だったら、・・・」と言うのに対し、K・ベーコン演じるショーンは「3人で車に乗っていたら、・・・」と言う。デイブは妻に「またジミーと友達になれた」という一方で「ショーンは友達なんかじゃない」と言う。これらのセリフから映画では描かれていない、3人が大人になる過程の複雑な関係が垣間見れる脚色(原作)も素晴らしい。
唯一、難点なのが、ショーンとその家出した妻の関係がわかりにくいところで、実際はキャラクターの背景として描かれているに過ぎないのだが、何かストーリーに関わりがあるのではないかと深読みしてしまうので、思い切って割愛してもよかったのではないかと思う。
近年は犯罪と人間模様をテーマにした高評価の映画が多く、今年のオスカーでも複数ノミネートされていたが、その先駆けとなった作品と言えるだろう。
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lucha

hashさん、はじめまして。私もこの作品を観たときとても衝撃を受けた印象深い作品です。ずいぶん前なので詳しくは覚えていませんが、俳優陣の演技のすばらしさが際立った作品だと思いました。

by lucha (2008-03-06 02:15) 

hash

luchaさん、こんばんは。
ストーリーも俳優の演技もすべて印象に残る優れた作品でしたね。
機会があれば、もう1度観てみてください。
nice!&コメントありがとうございます。
by hash (2008-03-06 20:29) 

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